お薬の情報

お薬Q&A
正しくお薬を服用いただくために

知らず知らずに間違った飲み方していませんか?薬について知らないこと、意外と多いものです。
分からないことがあればお気軽におたずねください。

薬の用法について

Q. 薬を水なしで飲んでも良いですか?
できればコップ半分以上の水またはぬるま湯で飲んでください。水なしで飲むと薬がのどや食道にひっかかりやすくなります。
ただし、「口腔内崩壊錠」といわれるタイプの錠剤は、水なしでも飲むことができます。飲み込むことが難しい人や水分制限している人に使いやすいお薬です。
Q. 薬をお湯やお茶で飲んではダメですか?
お薬と相性の悪い飲み物もありますので、水または湯冷ましで飲むのが原則です。
 
●お酒で飲むと・・・
お薬の効き目や副作用が強くなることがあるのでおやめください。一般的に、アルコールでお薬の肝臓での代謝が抑制される傾向があるためです。睡眠薬や血糖降下剤は特に注意が必要です。
 
●牛乳で飲むと・・・

お薬の効き目が弱くなることがあります。一部の抗菌剤や抗生物質、便秘薬などでは牛乳に含まれるカルシウムと結合して吸収されにくくなります。
 
●コーヒー・ドリンク剤で飲むと・・・
頭痛やイライラがでることがあります。これらの飲み物はカフェインを含んでおり、市販の総合感冒薬などにもカフェインが含まれており、飲み物とお薬のカフェインが重なるためです。
 
●グレープフルーツジュースで飲むと・・・
一部の医薬品で効果が強く出たり、副作用が現れやすくなります。
グレープフルーツに含まれる成分が酵素の働きを阻害するためです。
グレープフルーツジュースを避けるべき医薬品は多数あります。
Q. 「食間」と指示のあるものは、いつ飲めば良いのですか?

「食間」は、食事と食事の間の意味で、食後約2時間後が目安です。

<お薬を飲む時間と理由>
●食 前=食事のおよそ30分前
胃が空の状態なので、一般的に薬の吸収が速く効果も速くなります(例外もあります)。ただし、胃を刺激しやすくなるため胃が荒れやすくなります。
食欲を増進させる薬や食べものが胃にあると吸収が悪くなる薬、漢方薬、一部の糖尿病薬などに「食前」と指示されるものがあります。

●食直前=食事の直前
食後の血糖値の上昇を抑える糖尿病薬(グルコバイ、ベイスン OD、セイブル、スターシス)などが「食直前」と指示されます。
これらは食後に飲んでいては血糖値上昇の抑制に間に合わないため「食直前」になります。

●食直後=食事が終わってすぐ
胃粘膜を刺激する薬などです。胃の弱い人は、「食後」指示の薬でも食直後に飲むと良いと思います。

●食 後=食事が終わっておよそ30分後
胃の中に食べものが一番多くある状態で、その時間に指定するのは薬による胃粘膜への刺激を少なく(胃に優しく)するためです。
ただし、一般に吸収が食前または空腹時に比べ遅くなります(中には薬の中には食べ物があるほうが吸収が良い薬もあります)。
30分というのは目安なので飲み忘れそうなら、食後すぐでも構いません。

●食 間:食事と食事の間(食後およそ2時間後)
食間といっても食事をしながら飲むということではありません。
一般的に「食間」指示の薬は少ないですが、胃潰瘍の薬、胃粘膜を保護する薬は「食間」に指示される場合があります。

●寝る前=寝るおよそ30分前
寝る前に飲む薬は、胃の中の状態とは関係ありません。寝る前に飲む薬は下剤、睡眠薬、胃潰瘍の薬、喘息発作を予防する薬などがあります。胃潰瘍の薬は、寝ているときに胃酸の分泌が多くなるためです。

Q. どれくらいの量の水で飲めば良いのですか?
コップ一杯弱(180ml)くらいの水またはぬるま湯で飲んでください。
水の量が少ないと、薬が食道や胃に付着して潰瘍ができたり、薬の吸収が遅くなることがあります。
Q. 薬を飲み忘れたときはどうしたらよいですか?
気づいたときに1回分を飲んでください。
ただし、次回まで時間が短いような場合は一回分とばしてください。
また、飲み忘れたからといって2回分を飲まないでください。
ただし、一部の糖尿病薬、食前・食直前に飲む薬はこの限りではないので、医師または薬剤師にご相談ください。
Q. 高齢者が薬を飲むときに注意することは何ですか?
複数の医療機関から薬をもらっている場合は、一度医師・薬剤師にご相談ください。
一般的に高齢者は腎機能、肝機能が低下しているため、通常量を飲むと副作用が強く出たりすることがありますので。
Q. 抗生物質は飲みきるように言われますがなぜですか?
抗生物質を決められたとおりに飲まないと、菌が十分に殺せないばかりか、菌が中途半端に生き残って抗生物質が効かない「耐性菌」が生まれてしまうことがあるからです。
抗生物質は、菌を殺すことが目的であり、菌が完全になくなるか、菌の作用が弱まる日数を考えて処方されているので、処方日数中は必ず飲まなければ効果が得られません。食後に飲む指示がある場合、食事が取れなくても時間になったら飲むようにしてください。
Q. ステロイドをもらっていますが、長期間塗り続けても大丈夫ですか?
自己判断で使い続けるのはおやめください。ステロイドの塗りお薬はとても効果のあるお薬ですが、副作用がないわけではありません。必ず専門医の指示のもとでお使いください。専門医が認めた期間であれば安心してお使いいただけます。
Q. 食事が不規則で1日3回食べられないのですが、お薬は3回飲まないといけませんか?
例えば1日3回毎食後と指示のあるお薬などは、一般的には食事をしてなくても3回飲むほうが良いとされています。 「食後」と指示があるから,食事をしなければお薬を飲んではいけないという考えは間違いです。薬を飲む時間は、効き方や体への吸収などのためです。
糖尿病など食事で血糖が上がるのを調節するお薬などを除いて、ほとんどのお薬は食事をしなくても飲むことが可能です。
ただし、糖尿病などお薬によってはよくないケースもあるため、お薬を受取る際、調剤薬局窓口の薬剤師にご相談ください。
Q. 調剤薬局で処方されたお薬を、市販の風邪薬と一緒に飲んでもかまわないですか?
お薬によりますので、薬剤師にご相談ください。また、風邪で受診している場合、同じような効果の成分が入っていることがあり、一緒に飲まないほうが良い場合があります。
Q. 子供がお薬を飲むのを嫌がる時、お薬をミルクにまぜてもいいですか?
ミルクにはまぜない方が良いです。ミルク嫌いになる事があります。少量の水でお薬を練って上あごに塗りつけた後ミルクをあげてください。
Q. コンタクトレンズをしたまま目薬をさしてもいいですか?

普通のハードコンタクトレンズならば、一般的にはレンズを装着したままでどの目薬も点眼可能です。

しかし、ソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズの場合は、レンズに目薬の成分や保存剤が徐々に吸着されてしまいますので、目に刺激を与えたりレンズの性状に影響を与えることがあります。

人工涙液タイプの点眼液や一部の角膜保護剤などではソフトコンタクトをしたまま点眼できるものもありますが、それ以外の目薬は使用しないようにしましょう。

Q. 「高血圧」で降圧剤を飲んでいますが、グレープフルーツを摂ってはいけないと聞きましたが、
なぜでしょうか?
高血圧の人に処方される「カルシウム拮抗薬」の成分が、グレープフルーツとあわさると副作用を引き起こすからです。
Q. 子供に薬をどのように飲ませればよいでしょうか? 混ぜて苦くなるものはありますか?

乳児の場合によく試されるのは、少量の水などで練って団子状にして上顎につけ、それを水や母乳で流し込むといった飲ませ方です。

少量の水に溶かしてスポイトで口に入れてもよいと思います。

もう少し大きいお子様では、普通に水で飲める場合はそのまま、もしくは水に溶かして飲んでもらってもよいですし、飲みやすくするゼリー状のオブラートなども市販されています。

お菓子や食べ物などに気付かれないようにそっと混ぜて食べさせるのも良いと思います。アイスクリームはダメでもチョコレートシロップなら飲めたというお子さまもおられます。いろんな食品でお試しください。 ただし、ものによっては味が変わったり、効果が変わったりするものもありますので一度薬剤師にご相談ください。

薬の扱いについて

Q. 薬の保管で注意することはなんですか?
お薬の変質を防ぐため、湿気の多い場所や高温(炎天下の車内など)、直射日光などを避けて保管してください。
お薬によっては、冷蔵庫で保存するもの、暗いところで保存しなければいけないものもありますので、お薬と一緒にお渡しする説明書をご覧ください。また、安全のため、乳幼児の手の届かないところで保管してください。
誤用を避けるために、内服薬と外用薬を区別して保管することもポイントです。
Q. 目薬は開封したらどれくらい待ちますか?
特に指定のない限りは1ヶ月です。ただし、保管の状態にも異なります。遮光や冷所での保存の指示がある場合はそれに従って下さい。
Q. 前にもらって使わなかったお薬を飲んでも大丈夫でしょうか?
医師にご相談ください。インフルエンザなど病気によって使用できない解熱剤があり、お子さまなどは成長によって体重が変わると用量が変わります。有効期限と保管(冷所)が適切かどうかもご確認ください。
Q. 以前と同じ症状です。半年前のお薬を飲んでも良いですか?
同じような症状でも同じ病気とは限りません。必ず病気の判断は医師の受けるようにしてください。
Q. 子供が急に熱を出したのですが、以前にもらった熱冷ましを使用してもよいでしょうか?
基本的には、受診をおすすめしますが、急な発熱の場合、症状や保管の状況によりますが、熱が高ければ応急処置として使ってもらうような場合もあるかと思います。
ただし前より体重が増えている場合は量が不十分であることも考えられますのでご注意ください。一度薬剤師にご相談ください。
また、必ず事後に受診するようにしてください。

薬局の利用について

Q. 薬だけが欲しい時、医師の診察なしに薬局で薬を調剤してもらうことはできますか?
できません。
必ず医師に受診してください。医師の診察の結果出された処方箋に基づいて調剤をすることが法律で定められています。
Q. 処方箋は代理人が持っていっても良いですか?
はい、構いません。
患者さまのご家族などが処方箋を持ってきていただいても調剤は可能です。
Q. 処方箋に有効期限はありますか?
当日、薬局に行く時間がない場合、翌日でも良いのでしょうか?
はい、4日以内にお越しください。処方箋の使用期間は交付の日を含め、休日や祝日も含めて4日以内です。5日以降は処方箋が無効になりますのでご注意ください。
Q. 処方箋がなくても、以前もらったお薬だったら調剤してもらえますか?
いいえ、処方箋がなければ調剤はできません。
病院で処方箋を発行していただき薬局へお持ちください。
Q. 薬局へファックスで処方箋を送ったら調剤してもらえますか?
はい、できます。
事前に薬局に処方箋をFAXで送っていただき、後で薬局に処方箋をもって来ていただければすぐにお薬をお渡しできます。
Q. なぜ医師に話したことと同じようなことを薬局でいろいろ聞かれるのですか?
医師に話したことを再度聞かれるのは不快かも知れませんが、これは、第一に処方箋に記載された薬と患者さまの症状があっているかどうかを確認するためなのです。万一何かの間違いがあるといけませんので、薬剤師が、念のため再度確認しているということなのです。
また医師には言いづらかったことや、分からないことなど患者さまの服薬のための情報を収集する目的もあります。
どうぞ、ご協力をお願いいたします。

その他

Q. OTC薬品とは何ですか?
医師の処方箋なしに薬局、薬店で購入できる「一般用医薬品」のことです。OTCとはOver The Counterの略です。
Q. お薬手帳は絶対必要ですか?
絶対と言うことではありませんが、お持ちになった方が安心です。
お薬手帳には、処方された薬の内容、薬剤師のコメント等、薬を飲む上で重要な情報が記載されています。
複数の病院にかかる時などもお薬手帳を医師に提示すると飲み合わせや副作用、重複などが避けられて安心ですし、患者さまの薬の服用履歴を安全に管理するためにも、ぜひ一冊お持ちください。
Q. お薬手帳はどのように使うのでしょうか?
処方箋と一緒に保険薬局へ持参してください。
また、複数の病院や診療科に受診されている場合、医師に手帳を見せることで、同じ作用の薬が重複したり、飲み合せの悪い薬の処方を避けることができます。
また、「おくすり手帳」は1冊にまとめて薬の履歴がもれないようにしてください。
Q. 処方箋薬局のお薬代は医療費控除の対象になりますか?
はい、なります。
領収書は、大切に保管しておいてください。